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学校のトイレに1億円!

 学校のトイレは汚い、暗いといった悪いイメージを払拭するため、1億円を投じ小中学校のトイレに温水ウオッシュレットの便器を設置するということを大阪府下の某自治体が決めたという(2001年3月の報道)。
子供(1)
 これにより、トイレは綺麗になり、悪いイメージがなくなると共に、ひいてはトイレがサロンのような役割を持ち、いじめもなくなるという実にいいことずくめの話が展開されているのである。一見これは正しいような考え方であるが、それにしてもあまりにも単純すぎる。

 果たしてこれでトイレは綺麗になるのであろうか。

 確かに最初は綺麗であろう。この綺麗さを保つためには常に清掃に心がけなければならない。ウオッシュレット便器は特に清掃が厄介である上に、一旦汚れると普通の便器よりも汚さが目立ってしまう。特に男子は小便により細かいしぶきが飛び散り、掃除しないとこれの汚れが褐色のシミとして残ってしまう。小中学生が用便後に掃除するとは思えないのであり、いったい誰が常に清掃に心がけるというのであろうか。専任の清掃係をおかなければ綺麗さは保てない。このへんのことまで考えているのだろうか。
子供(2)
 問題は次である。

 何故、学校のトイレでウンコしたくない子供たちが多いのであろうか。学校のトイレが汚いからなのだろうか。

 ここで一寸考えてみたい。ウンコするため駅のトイレに入るのと会社のトイレに入るのとどちらが抵抗感が少ないか? 実はこの設問には大きな問題がある。前提条件が欠落しているのである。
子供(3)
 会社のトイレにウンコするために入るとき、トイレの中に同僚など顔見知りの人が居るか、居ないかによって抵抗感が大きく異なることを経験した人が多いに違いない。駅のトイレは普通、周りが知らない人ばかりであるから抵抗感は下記のようになると考えられる。

  誰もいない会社のトイレ < 駅のトイレ < 人のいる会社のトイレ

 いい年をしたものでもこれであるから、多感な年頃の子供はみんなの見ている前でウンコするためにトイレにはいることに非常な抵抗感があって当たり前である。トイレが綺麗であるか否かであることは本質的な問題ではないのである。このことについては別ページ「なぜ学校のトイレでウンコしないのか」に詳しく述べているので参照してください。

 1億円が無駄な投資でなかったと本音で言える日が来ることをお祈りいたします。
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Yukiyoshi Morimoto