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所在地及びアクセス:奈良県高市郡高取町壷阪 近鉄吉野線壷阪山駅から、奈良交通バスで終点壺阪寺下車、徒歩約5分。バスは9時-16時の間で1時間に1又は2便、運賃は片道310円で割高感あり(1999年6月現在)。 宗派:真言宗豊山派 本尊:千手千眼観世音菩薩 |
![]() 開基:弁基上人 縁起: 壷阪山に庵を結んでいた弁基上人は水晶の壷を愛でていたが、大宝3年(703年)、その壷の中に千手観音像を感得したという。弁基上人はその姿を刻み、像を庵に安置したとされており、これがこの寺の創始とされている。 元正天皇はこれを知り、養老元年(717年)に八角殿を建て、ここに壷と観音像を安置し、南法華寺の名を与えたという。 南法華寺は眼病患者を救う観音を祀る寺として有名になったのは明治時代になってからだろう。 この寺は「南法華寺」という正式名称よりも「壷阪寺」や「壷阪観音」の名でよく知られている。 |
![]() 見所など: 仁王門をくぐり参拝順路に従って進むと、常識的にみて、およそ日本の寺院には不似合いなインド風の建物、「大石堂」(左の写真)が目に入る。 この堂は七年の歳月を費やし、三千個の花崗岩をインドで彫刻し、日本で組み立てられたものという。堂内には石仏などが安置されており、平成4年(1992年)に落成したようである。 当寺とインドとの関係については、よく知られているところであるが、詳細は後述する。 |
![]() 大石堂の横の石段を上がると回廊があり、目前に国の重要文化財に指定されている「三重塔」(左の写真)が見える。 「三重塔」は明応6年(1497年)に竣工したとされており、宝永7年(1710年)に大修理が行われたという。 三重塔の傍に、国の重要文化財に指定されている「礼堂」(直下の写真)が建っている。礼堂にピッタリ密接して「本堂」の八角円堂があり、礼堂は本堂に祀られている「本尊」を礼拝するために造られたものであろう。 礼堂はその建築様式から、室町時代中期以前に建てられたものとされている。 本堂は江戸時代後期に再建されたものらしい。 |
![]() 礼堂と本堂との間には隔壁がなく、本堂の中に自由に入ることが可能で、本尊に近寄って直接拝観できるのが好ましい。 「本尊」は想像していた以上に大きく、目鼻立ちがはっきりしていて、その容貌は普通に見られる仏像のそれとは可成り異なっていて印象的である。 本堂の中は本尊を中心としてその回りをぐるりと廻ることが出来るようになっている。 |
![]() 境内には「お里沢市慈眼茶」を沸かしている釜が置かれ(左の写真)、自由に飲めるようになっている。 慈眼茶は目薬の木、枸杞(くこ)、桑の葉、ハトムギ、ほうじ茶などを原料としたもので、目の健康と美容によい、との説明書きがあるが、目の病気が治癒するとは書いていない。薬事法上、効能効果を表記できないから当然のことであろう。 慈眼茶の中に入っているという目薬の木は、境内至る所に生育しているが、その本態はよくわからない。 |
![]() 南法華寺は眼病治癒信仰の寺としてよく知られているが、これは、お里沢市の浄瑠璃「壷坂霊験記」にその起源があるものと思われる。 盲目の沢市が使用したとされ、古くから当寺に伝えられている「沢市の杖」が本堂の中、本尊の背後に当たる場所に安置されている(写真)。 説明によれば、この杖に触れると夫婦仲が円満になるという。 |
![]() 境内には釈迦の一代を刻んだ大きなレリーフがある。その前を通り、小高い場所に出ると、巨大な「大観音石像」(左の写真)が見える。 説明によれば、この石像は、3億年前のものというインドの花崗岩を原材料として、7万人の人手によりインドで制作された。高さは約20mで重さ約1200トンあり、66個に分割して運ばれ、日本で組み立てられたという。 土台には数万巻の写経と土台石が、胎内には数十万巻の写経と胎内石が納められているらしい。 この観音像は昭和58年(1983年)3月に開眼した。 大観音石像の前の広場には、これもインドから運ばれてきた「大涅槃石像釈迦如来」(直下の写真)が安置されている。 この石像は全長約8m、重さ約30トンといわれており、平成11年(1999年)4月にここに安置されたようである。 |
![]() 大涅槃石像の前から大観音石像が遠望でき(左の写真)、二体の石像を同時に撮影できるためか、大涅槃石像の前で記念写真を撮影する参拝客が多い。 二体の石像のうち、参拝者が圧倒感を感じるのは大観音石像の方だと思うが、これは勿論、私の主観である。 上記のとおり、南法華寺はインドとの関係が深いが、これは当寺がインドにおけるハンセン病の人々の救済活動を行ってきたことによっている。また、当寺はアジア、アフリカの開発途上国の子供たちのために奨学金制度を設け、学校の運営にあたっているという。その他、盲老人ホームの開設など、社会福祉事業を行っていることでもよく知られている。 |
御詠歌:岩をたて水をたたえて壷阪の庭のいさごも浄土なるらん |
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Yukiyoshi Morimoto