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西国第五番
紫雲山 葛井寺

(しうんざん ふじいでら)
葛井寺所在地図 所在地及びアクセス:

 大阪府藤井寺市藤井寺

 近鉄南大阪線藤井寺駅下車、南出口を出て東の方向へ約50m進み、右折、商店街を南に向かって約150m進むと左手に寺の西門が見える。


宗派:真言宗御室派

本尊:十一面千手千眼観世音菩薩
朱印
開基:行基

縁起:

 この寺は7世紀代に、百済から渡来した葛井氏の氏寺として建立されたと考えられている。
 その後、神亀2年(725年)に聖武天皇の勅願により千手観世音菩薩を安置、行基が開眼法要を行ったとされ、これが葛井寺の創始とされているようである。
 葛井寺に所蔵されている室町時代の「葛井寺参詣曼陀羅」によれば、当時は薬師寺式伽藍配置をとっていたと推定されているようである。
 葛井寺は奈良時代から平安時代にかけて大いに栄えたという。
 永正7年(1510年)の大地震で寺の諸堂が倒壊したが、そのあと修復され、現在の規模になったといわれている。
四脚門(西門)
見所など:

 寺の周辺は住宅など近接しており、境内は比較的こじんまりしている。

 商店街のアーケードを抜けると左手(東側)に寺の西門にあたる「四脚門」(左の写真)が建っている。この門から境内に入ると本堂の横に達する。


 「四脚門」は慶長6年(1601年)に豊臣秀頼により再建されたものといわれており、葛井寺で現存する最古の建物とされ、国の重要文化財に指定されている。
南大門
 葛井寺の門としては、この「四脚門」の他に「南大門」(左の写真)がある。

 「四脚門」は小ぶりであるが、これに比べ、「南大門」は大きく堂々とした造りである。

 「四脚門」と同様に赤い色に塗られているが、「南大門」の方は赤というよりもむしろピンク色に近く、かなり派手な印象を受ける。


 葛井寺に限らないが、一般的に寺の山門は赤く塗られていることが多い。赤い色は死者を護るといわれているが、この言い伝えに由来しているのであろうか。

 「南大門」をくぐると奥に本堂が見え、石畳が真っ直ぐ本堂の正面に向かっている。この南大門が正門となっているようである。
石灯籠と本堂
 「南大門」も国の重要文化財に指定されている。

 南大門から本堂までの石畳の途中に「聖武天皇御寄附 寫紫雲石燈篭」と銘のある石灯篭が建てられている(左の写真)。

 この灯篭は明治時代に造られたレプリカということで、本物は裏庭に置き管理されているらしい。なお、本物の
「灯籠」大阪府美術品に指定されている。

 石灯篭の奥に「本堂」(直下の二枚の写真)が建っている。
「本堂」は江戸時代に再建されたものといわれ、国の重要文化財に指定されている。

 本堂内に祀られている
「本尊」、春日仏師作の十一面千手千眼観世音菩薩(千手観音坐像)は上述の縁起の項にも記載したように、神亀2年(725年)に聖武天皇の勅願により安置されたものといわれ、国宝に指定されている。
本堂
 本尊は毎月18日に開扉、公開されている。これに合わせて本堂内部も公開されており、寺宝も拝観することが出来る。

 また、18日の本尊開扉日には参詣者が多い関係からか、西門から本堂までの石畳の両側や本堂の前には、何軒かの露店が開店し、履き物や衣類を売っている。

 直下の写真は本尊開扉日の本堂入口部であり、「国寶本尊千手千眼観世音菩薩開扉」の掲示が出ている。
本尊開扉日の本堂
 本尊は厨子の奥に安置されており、厨子内部は暗いため見にくいが、できるだけ近くに寄り、ジッと眼をこらすと本尊の姿を拝観することが出来る。

 本尊の写真撮影は勿論、双眼鏡の使用も厳禁とされている。

 仏像自体は大きいものではないが、像には多数の脇手がビッシリと出ている。脇手の数は1039本あるという。これらの脇手の内、38本あるという比較的大きい脇手は仏具らしきものを持っているが、これらは経典に定められたものらしい。また、全ての手の掌には眼が描かれていたという。


 まさに言葉通りの千手千眼観音坐像であり、約1300年もの歴史を経た仏像故か、非常に印象的である。
礎石
 それにしても、寺は戦火や大地震に遭遇しているが、これらの災害から仏像を護ってきた人々に敬意を表すべきだろう。

 境内には「礎石」(左の写真)が置かれているが、これは約1400年前に葛井氏の氏寺として創建された当時のものとされている。

 また、境内には「旗掛けの松(三鈷の松)」の木(直下左の写真)がある。この松の木は南北朝の動乱期、楠正成が本尊に戦勝祈願をしたとき、菊水の旗を掛けた木とされている。
三鈷の松 三鈷の松葉
 その旗は長さ1m程の思ったより小さいもので掛け軸に仕立てられ、本堂内に保存されている。

 楠正成が戦勝祈願をしたとき、三人の息子(正行、正時、正儀)に、この松葉(三葉になっている:直上の写真)のように三人が力を合わせ一つになって武士道に励むよう誓わせたという。以来、この松葉を持つと力が付くという言い伝えがあり、珍重されているようで、三葉の松葉の落ち葉を探している参拝者をみかける。

御詠歌:まいるより頼みをかくる葛井寺花のうてなに紫の雲
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Yukiyoshi Morimoto