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鹿苑寺(金閣寺)

金閣寺へのアクセス

 JR京都駅から京都市バス[205]系統(北大路バスターミナル行)又は市バス[101]系統(金閣寺行)で金閣寺道下車。
 阪急京都線四条河原町駅から京都市バス[205]系統(北大路バスターミナル行)で金閣寺道下車又は市バス[12]系統(立命館大学前行)で金閣寺前下車。
 京阪電車三条駅から京都市バス[59]系統(山越行)又は市バス[12]系統(立命館大学前行)で金閣寺前下車。
 金閣寺前バス停から参道入口まで徒歩すぐ。金閣寺道バス停から西の方向へ徒歩約5分で参道入口に着く。
朱印
金閣寺の縁起

 この地、衣笠山一帯には鎌倉時代から貴族の山荘などが造られていたが、藤原(後に西園寺に改姓)公経が元仁元年(1224年)に造営した北山第が、その代表的なものであったといわれている。

 その後、将軍足利義満が、将軍職を辞し太政大臣になった応永4年(1397年)に西園寺家からここを譲り受け、新たに北山殿の造営を始めたとされている。応永15年(1408年)には後小松天皇を招いて宴を催したが、その年に義満が急死したらしい。

 義満の遺言に従い、夢窓国師を開山としてこの場所に鹿苑寺を創建したといわれている。その後、応仁の乱で金閣他一部を残し焼失したが、桃山時代に相国寺の西笑承兌が復興に努め、ほぼ、現在の姿になったという。

 上記の経緯からか、金閣寺は臨済宗相国寺派の禅寺であり、相国寺が管理しているようである。

 金閣寺は正式には鹿苑寺(ろくおんじ)というが、通称名である金閣寺の方がはるかに一般的でありよく知られている。
お札拝観券 総門

お札の拝観券

 お世辞にも荘重とは言い難い「総門」(直上の写真)をくぐり、奥に進み拝観料を支払うと「お札の拝観券」(左のコピー)を手渡される。これは銀閣寺でも同様であるが、金閣寺のお札は銀閣寺のものより一回り大きい。

 お札を二つ折りにするのも何となく気が引けるので、携帯に苦労する結果となった。銀閣寺のお札程度の大きさのものの方がいいのではないか。
金閣
金閣(舎利殿)

 「金閣」(左の写真)にはお釈迦様の骨が祀られているといわれ、舎利殿とも呼ばれている。

 金閣の二層と三層には金箔が貼ってあり屋根の上には金張りの鳳凰が置かれている。一層は寝殿造り、二層は武家造り、三層は禅宗仏殿造りで、
それぞれの様式がよく調和しており、これが華やかさを醸し出しているようである。

 以前の国宝に指定されていた金閣は昭和25年(1950年)に若い寺僧の放火により全焼、5年後に再建された。更に、昭和62年(1987年)には金箔を厚いものに張り替える修復工事がなされている。再建された金閣は国宝に指定されていない。

 昭和25年の放火事件を機に金閣寺のイメージは大きく変わったような気がする。当時私は子供であったが、この事件はマスコミに大きく取り上げられ、犯人の精神状態など大いに議論されたのを覚えている。1997年の神戸の小学生殺害事件以上にセンセーショナルな事件であった。この放火事件に関連し三島由紀夫や水上勉の著作がある。

庭園
庭園
 金閣の傍の鏡湖池を中心として、大小の島々、諸国から集めた岩、石を配し、背景の衣笠山を借景とした室町時代の「池泉回遊式庭園」が造られている(直上の写真)。

 この
「庭園」は国の特別史跡、特別名勝に指定されている。
陸舟の松
陸舟の松

 鏡湖池の東側、方丈の北側に建てられている書院の庭に京都三松の一つに数えられている松の木で、船の形をした「陸舟の松」がある(左の写真)。

 この五葉松は義満の盆栽から移植され、帆掛け船の形に仕立てられたものとされており、舳先は西の方角を向いている。これは、この船に乗って西方浄土に向かうという発想からこの形に仕立てられたものという。


 樹齢は約600年といわれているが、一見した感じではそんなに年月を重ねた樹には見えない。
龍門滝
龍門滝と義満縁の泉

 金閣の北側には、「龍門滝」がある(左の写真)。鯉が滝を登ると龍になるという中国の故事「登竜門」に因んだ「鯉魚石」が置かれている。鯉魚石は水飛沫のかかっている尖った石で、鯉のように見えないことはない。写真では中央部に「鯉魚石」が見える。

 「龍門滝」の西側には、義満がお茶の水に使ったといわれている「銀河泉」、手を清めたとされている「厳下水」がある。これらは義満縁の泉といわれているが、今ではお茶の水に使えるような綺麗な水が湧き出ているようには見えない。
安民沢、白蛇の塚
安民沢

 義満縁の泉の北側、やや高い位置に「安民沢(あんみんたく)」(左の写真)がある。

 池の中央部にある島には、西園寺家の守り神といわれる「白蛇の塚」が建っている(写真)。


 沢の対岸は鬱蒼とした森になっている関係かもしれないが、何となく不気味な池である。これに、白蛇の塚などという名前の石塔が加わり、不気味さを倍加している。
夕佳亭
夕佳亭

 安民沢の東側の小高い場所に、金森宗和が造営したといわれる茶室「夕佳亭(せっかてい)」が建っている(左の写真)。この名称は、「夕日に映える金閣が佳い」ということに由来しているという。

 夕佳亭内正面の「南天の床柱」、その横にある「萩の違い棚」が有名である。

 現存の夕佳亭は明治時代中期に再建されたものといわれており、平成9年に解体修理が行われたようである。
建物や造作が新しすぎるためか由緒のある茶室という感じがしない。

 夕佳亭の前の庭の片隅に足利八代将軍義政が愛用したといわれている「手水鉢」「石灯篭」が置かれている(直下の写真)。
石灯籠と手水鉢
 写真でもわかるように、手水鉢は富士山形で、頂部にやや深い窪みがつけられており、ここに水が溜められるようになっている。賽銭のつもりなのだろうか、この窪みの中に10円、5円や1円の硬貨が入っていた。

不動堂

 夕佳亭の東南側に「不動堂」(直下の写真)が建てられており、岩窟の中に弘法大師の作と伝えられる本尊の石不動明王が祀られているという。本尊は秘仏であるが、毎年、節分と8月16日には開扉されているようである。

 金閣寺境内で寺らしい雰囲気があるのはこの堂だけと言ってもいいのではなかろうか。
不動堂
観光スポット金閣寺

 金閣寺は曜日、季節に関係なく数多くの人で混雑している。中学生などは境内を駆け抜けて通るだけである。中学生にとってこんな所は面白くないだろう。

 金閣寺は寺院という感じがしない。寺というよりも派手な山荘といった感じのほうが強い。焼失前の国宝金閣を擁する金閣寺であれば、もっと違った感覚を持って見ることができたかもしれない。不動堂の傍にある土産物屋は盛況であり、正に観光スポットである。これだけ観光スポット化した寺院は京都でもそう多くはない。
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Yukiyoshi Morimoto