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滋賀県湖東三山「西明寺」

(国宝指定第一号の本堂と紅葉で著名な古刹)

所在地及びアクセス:

 滋賀県犬上郡甲良町池寺26

 西明寺への定期路線バスの便はない。最寄りの駅(近江鉄道「尼子」駅又は「豊郷」駅)から西明寺まで7〜8kmあるので徒歩によるのは無理がある。従って、自家用車によるか又は最寄りの駅からタクシーを利用することになる。
 タクシーはJR東海道本線「彦根」駅からか、又は「河瀬」駅から、近江鉄道では「尼子」駅から利用することができる。
 なお、「河瀬」駅又は「尼子」駅からは予約型の乗合タクシーの便がある。乗合タクシーは年末年始を除き毎日8時〜19時の間1時間毎に運行している。予約は乗車1時間前までに近江タクシー彦根営業所(TEL:0749-22-0106)に予約する。タクシーは複数の人との乗り合いになるため、所要時間はその日によって異なる。
 紅葉の最盛期(11月21日〜11月31日)にはJR「彦根」駅から湖東三山連絡シャトルバスが運行されている。運行日及び時刻、運賃などは、湖国バス(TEL:0749-22-1210)に問い合わせること。

宗派:
天台宗

本尊:薬師如来

開基:山修上人

縁起:
西明寺朱印
 西明寺は承和元年(834年)に仁明天皇の勅願で三修上人によって創建されたといわれている。

 平安、鎌倉、室町時代を通して修行道場、祈願道場として繁栄し、十七の諸堂、三百の僧坊があったようで、源頼朝もこの寺に来て戦勝祈願をしたという。

 戦国時代には織田信長が比叡山を焼き討ちした後、当寺も焼き討ちの対象となったが本堂、三重塔、二天門が火災に遭わず現存している。

 江戸時代に天海大僧正、公海大僧正の努力で、望月越中守友閑によって寺は復興され現在に至っている。

境内諸堂等配置図:
境内諸堂等配置図

見所など:
寺名石碑
 国道309号線の傍に西明寺の寺名石碑(左の写真)が建てられており、境内入口が国道に接している。

 石碑の左手に石段があるのが写真でも分かるが、これは側道に相当するもので、石碑右側には正面の入口になる石段がある。
境内入口
 左の写真は西明寺への正面入口で、上述の石碑の右側に位置している。この奥に「惣門(山門)」があるが、写真で分かるように2014年の秋の時点では工事中であった。
参道(1)
 「惣門(山門)」(2014年秋の時点では工事中であり明確な門はなかった)を通り抜けると本堂まで「参道」が続いている。本堂までの「参道」は比較的歩きやすい緩い上り勾配の場所もあるが、全体的に見て上り勾配の石段の場所が多い。左の写真は「参道」でも緩やかな上り坂になっている場所である。
参道(2)
 左の写真も「参道」であるが、この場所は石段である。参道は石段で造られた場所が多い。
参道(3)
 左の写真は直上の写真の場所を少し奥に進んだ「参道」で、ここも参道は石段である。写真でもわかるように紅葉の季節には観光客が非常に多く、参道はかなり混雑している。
庭園入口付近
 「山門」を通ってから「本堂」に向かって3分の2ほど進んだ場所で参道の左手に本坊があり、「庭園」へ通じる門(出入口)がある。

 左の写真で右側に見えるのが「庭園」へ通じる門(入口)である。庭園は「蓬莱庭」と呼ばれている国指定の名勝庭園で一見する価値がある。参道へ戻るには入ってきた入口に戻っても良いが、庭園の背後を通って参道に出ることも可能である。
夫婦杉と二天門
 参道を奥に進むと「二天門」に着くが、その手前に「夫婦杉」がある。

 左の写真で参道の右側にある注連縄を巻いた杉の木が「夫婦杉」であり、写真中央奥に見えている門が「二天門」である。
夫婦杉
 左の写真は「夫婦杉(千年杉)」である。

 この杉の木は元々二本であった木が成長するにしたがい接近して一本のようになり、共に育っているところから夫婦杉と呼ばれている。写真でも分かるように後ろ側から若木が出ていることから、子授け、安産の木、また、樹齢千年の長寿の木であることから息災延命の木とされ、西明寺の霊木とされている。
二天門
 「夫婦杉」をすぎると階段があり、階段を上り切ったところに「二天門」(左の写真)が建てられている。

 「二天門」は室町時代初期の応永14年(1407年)に建立された八脚門である。「二天門」は重要文化財に指定されている。
二天門内側の紅葉(1)
 「二天門」をくぐると「本堂」が眼前に見ることができるが、「二天門」と「本堂」の間は一寸した広場になっている。左の写真は広場南側から「二天門」の内側と周辺の紅葉を見たものである。「二天門」の周辺に見られる紅葉は見事である。
二天門内側の紅葉(2)
 左の写真は「本堂」前広場の北側から西方向の「二天門」内側の紅葉を見たもので、写真左端に「二天門」の屋根の一部が、その手前には「手洗場」が見える。
本堂(1)
 左の写真は「二天門」をくぐった場所から見た「本堂」の正面である。

 「本堂」は鎌倉時代初期に飛騨の匠が建立した純和風建築で建物には釘を使用していないといわれている。
本堂に見られる蟇股
 「本堂」の格子模様や蟇股
(かえるまた)(左の写真)に鎌倉時代の建築様式が見られるという。
本堂(2)
 左の写真は「本堂」を南西側から見たものである。

 「本堂」は「瑠璃殿」とも呼ばれており、縁起の項で述べたように織田信長の焼き討ちから免れた建物で、建立当初の形を保っていることもあり、国宝に指定されている。国宝の指定は日本で最初、第一号である。

 「本堂」に安置されている本尊は平安時代に造られた薬師如来で、重要文化財に指定されている。
三重塔(1)
 「本堂」の南側に「三重塔」(左の写真)が建てられている。「三重塔」は鎌倉時代初期に飛騨の匠が建立した純和風建築で塔の高さは約24m、総桧造りで「本堂」と同様、建物には釘を使用していないようである。

 「三重塔」は国宝に指定されている。
三重塔(2)
 左の写真は「三重塔」の近景である。「三重塔」の初層が見えるが、内部の壁画は巨勢派の画家が描いたもので、法華経の図解、大日如来の脇侍仏三十二菩薩、宝相華が極彩色に描かれており、鎌倉時代の壁画としては国内唯一のものであるとされている。

 通常は「三重塔」内部は拝観できないが、秋期紅葉の最盛期には拝観可能となる時間が設けられているようである。

 「西明寺」は紅葉で著名な湖東三山の古刹に選ばれているだけあって、季節には見事な紅葉を見ることができる。本堂に近接した紅葉は少ないが、本堂までの参道は全体にわたり紅葉が見られ、また、本堂の前にある二天門の周辺は紅葉で埋め尽くされる。

 本堂内は数多くの仏像が安置されており、直接拝観可能である。仏像の多くは重要文化財に指定された寺宝であり、紅葉の季節でなくても訪問し参拝する価値は充分にある。

新規収載:2015年1月30日

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