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北京「故宮」

 1406年に明の永楽帝が建設し、清朝最後の皇帝薄儀まで皇帝の居城だった紫禁城、即ち、故宮がそのまま博物館として公開されている。故宮全体は故宮の北にある景山公園の山上にある「万春亭」から見渡すことができる(下の写真)。
 故宮の規模をガイドブック風に記載すると次の通りである。東西約750m、南北約960mに及ぶ広大な敷地は高さ約10mの城壁と幅約50mの濠に囲まれ、この中には多くの宮殿があり(部屋数は合計9千以上あるという)中国古代建築が完全な形で残されている。

 何故、中国の皇帝はこんな大きな、しかも守りの堅固な居城を造ったのか。単に権勢を誇示し、謀反者から身を守るためだけだったのだろうか。

 有名な天安門をくぐり、北の方角に進むと故宮の正門に相当する「牛門」がある。故宮の宮殿について歴史上の解説をすることは、この観光案内の主旨に反するので、ここでは省略するが、大和殿についてのみ簡単に触れる。

 大和殿(左の写真)は故宮最大の宮殿であり、故宮の正殿である。また、現存する中国最大の木造建築物でもある。

 ここは、即位の式典、祝日の祭典、政令の発布など重要な儀式が行われた所であり、中央奥に皇帝の座所が設置されている。

 大和殿の前庭は写真でもわかるように広大である。大和殿の北側に三大殿の残りの二つ、中和殿、保和殿が順に建っている。

 三大殿の北側は内廷とよばれ、皇帝の執務場所であり、住居でもあった。

 内廷に入るところで、左の写真にあるように靴の上からスリッパ様の履き物を付けるように指示がある。この履き物は実にチャチな物でしばらく歩くと壊れてしまった。多分、昔の皇帝に敬意を表すために付けるものと思われるが、そうであれば、もっとまともな物を用意してほしいのである。

 展示物の多くは、内廷にある絵画館、珍宝館や陶磁館などで展示公開されている。絵画館の前には九龍壁があり、左の写真のように、皇帝の象徴である龍が描かれた見事な壁面を鑑賞することができる。

 展示物は歴史的に見て貴重なものであり、素人が見ても細工物などそのすばらしさは理解できるが、残念ながら館内、展示物など埃っぽく、陳列のガラスケースは薄汚れており透明感がない。これでは鑑賞意欲は半減してしまう。

 それに、真に貴重な宝物と言われるようなものは、蒋介石が台湾に逃げるとき持ち出してしまったということで、台湾の「故宮博物館」の方が見事な物が揃っている。それに、保存、清浄度ともに台湾の方がはるかに良好である。

 故宮の北の出口(勿論こちらからでも入ることができる)は神武門とよばれており、門の上部には大きな字で「故宮博物院」と書かれた表示がある。

 故宮を十分に鑑賞するためには時間的に余裕のあるスケジュールを組んで訪れたい。
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Yukiyoshi Morimoto