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台湾「日月潭と文武廟及び玄奘寺」

日月潭:
日月潭  「日月潭」は今から約二千年前に偶然発見された天然湖で、台中市の東南約40km、台湾のほぼ中央部に位置する周囲約25km、水深約30mの湖であり、台湾有数の景勝地といわれている。

 現地のガイドは「日月潭は台湾で最も景色のいいところです」という。太魯閣峡谷の現地ガイドも同じような表現で太魯閣峡谷のことを説明していた。これは、どうも中国的な我田引水的表現のようにも思える。

 湖の北側の形は太陽に、南(南西)側の形は月に似ていることから、それぞれ、日潭、月潭と呼ばれ、全体で日月潭と呼ばれているようである。
日月潭
 湖の形から太陽と月を連想したとすれば、すごい想像力である。残念ながら私は、地図を見ても湖の形から太陽と月を想像することができない。
文武廟から見た日月潭
 湖の周辺は2000m級の山に囲まれている関係か、湖は朝、昼、夕で、それぞれ異なった表情を示す。このためか、神秘の湖といわれており、日月潭という名称も、朝夕で表情に変化のある湖、ということに基づいていると考えた方がロマンチックではなかろうか。

 台湾国内で新婚旅行先のトップは、この日月潭といわれており、また、ここを自殺の場所に選ぶ人も多いという。日月潭には人々を幻想の世界に引き入れる何かがあるのであろう。神秘の湖という表現が実にピッタリとしている。

 当地は1999年9月21日未明に発生した台湾中部大地震の震源地とされている「集集」から約13kmしか離れておらず、地震により大きな被害を被った。その後復旧に努め、2003年には高級リゾートホテルも開業したようで、現在(2005年)、観光地として地震前と変わらぬ状況になっているようである。

 日月潭の湖畔には幾つかの著名な観光スポットがあるが、それらの内、「文武廟」と「玄奘寺」をとりあげる。

文武廟:
廟門 文武廟は日月潭の湖畔北部にあり(地図参照)、日月潭湖畔観光のハイライトスポットであるとされている。

 廟は1938年に建立され、1975年に再建された中国宮殿式の廟宇で、廟としては台湾で最大級のものといわれている。

 廟は前殿、中殿、後殿の三殿様式になっており、前殿は文廟で文の神である孔子が、中殿は武廟で武の神である岳飛や関羽が祀られている。

 直上の写真は文武廟の廟門である。

 廟門をくぐると前殿に上がる階段の両側に赤い色をした一対の獅子の石像(直下右側の写真:文武廟発行の参拝案内パンフレットより)が置かれている。
龍の彫刻 獅子石像
 この石像は見た目にかなり大きく、高さは約8mあるという。

 左の写真は前殿(文廟)と中殿(武廟)の間にある九頭の龍の彫刻である。

 文武廟で特に有名なものは、上記の獅子の石像と龍の彫刻であるという。獅子の石像は何となく面白い表情をしているが、何故有名なのかよくわからない。龍の彫刻の方は細部まで見事に表現されており、良くできている。
前殿
 左の写真は前殿(文廟)である。文武廟では武人よりも文人のほうが格が上として崇められているという。

 写真では廟門から前殿までの石段に赤い絨毯が敷かれているのが見えるが、通常、これは敷かれていないらしい。訪問時は武の神、関羽の生誕1840周年祭が行われていたため、特別に絨毯を敷いたようである。

 文武廟から日月潭全体を望むことができ、景観がよいとのことであるが、訪問したときは雨天であり、残念ながら視界が非常に悪く、景観の良い日月潭を望むことは出来なかった(日月潭の項、二枚の写真の内、下側の写真)。


 1999年9月の大地震により文武廟の神殿も大きく傾いたといわれていたが、その後復旧に努め、現在(2005年)地震前と変わらぬ状態に復興されているようである。

玄奘寺:
寺全景 玄奘寺は日月潭の湖畔南部の高台の上に建っている(地図参照)。

 玄奘寺は1965年に創建された寺で、西遊記でよく知られている玄奘大師(三蔵法師)の霊骨が祀られている。

 左の写真は道路から玄奘寺の正面を見たところで、道路より高い位置に見えるのは寺の門である。道路に面した場所に地図のようなものが見えるが、玄奘大師が長安(現在の西安)からインドに入り、勉学の後、長安に帰ってきた足跡がここに記されている。
本堂
 西遊記には三蔵法師の家来に孫悟空や猪八戒などの動物が登場するので、架空の物語のように思えるが、玄奘大師(三蔵法師)は実在していたらしい。

 玄奘大師は西暦602年に出生、11才で父母を失い、13才の時に洛陽浄土寺に入り出家した。20才の時に長安を出てインドに入ったといわれている。インドから長安に帰ったのは645年、43才の時とされている。後、多数の経論を著し、高僧として名をとどろかせた。62才で没したが、その時、高宗は「吾、国宝を失えり」と嘆き、葬送者は百万人に及んだという。
玄奘大師遺骨祭壇
 寺の門をくぐると、直ぐ前に日本の寺でいえば、本堂にあたる建物が建っている(直上の写真)。この一階には玄奘大師の像が安置されている。

 玄奘大師の霊骨はこの建物の最上階(三階)に祀られている(左の写真で手前の中国式灯篭の中に納められているらしい)。

 かつて、玄奘大師の霊骨は、中国、南京の天禧寺に祀られていたとされているが、日中戦争時、霊骨の一部が日本兵により持ち出された。戦後、1955年に霊骨が返還され、これを祀るために、この玄奘寺が建立されものと思われる。


 1999年9月の大地震により玄奘寺も被害を被ったが、現在(2005年)、地震前と変わらない状態に復旧されているようである。
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Yukiyoshi Morimoto