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大神神社へのアクセス JR桜井線「三輪」駅下車。改札口を出て西に進み直ぐ右(北の方向)に曲り商店街の中を進む。商店街を抜けると広い参道に出るので、右(東の方向)に曲り、JRの踏切を渡り道なりに進むと大神神社の「二の鳥居」に着く。駅から徒歩約7分。 |
祭神、ご神体、神徳 大物主神(おおものぬしのみこと) 祭神は国土草創の神として知られているが、ご神体は神社の東の方向にある「三輪山」とされている。神々の宿る神聖な山を神奈備(かんなび)というが、「三輪山」は神奈備として太古の昔から崇められてきたといわれている。 大物主神は国造りの神様として、また、酒造、医薬、方除など生活全般の守護神とされている。 |
由緒、伝説 神代の昔、大己貴神(おおなむちのみこと)が自らの魂を三輪山に鎮められ、大物主神の名で祀られたのが大神神社の創始であるという。 何れにしても大神神社は日本最古の神社の一つとしてよく知られており、現在でも、本殿が置かれておらず、拝殿からご神体である三輪山を拝するという原始形態の神祀りの様式をとっている。 |
鳥居 国道169号線沿いに大神神社の高さ約32mの巨大は「大鳥居」が立っている(左の写真:大神神社の近くにある展望所から)。車で訪れると、この鳥居をくぐることになるが、JR三輪駅で降りて参拝するする場合は、大鳥居をくぐらない。 |
JRの踏切を越え、東の方向へ暫く歩くと思ったより小ぶりの「二の鳥居」が建っている(左の写真)。 これより奥は木々が生い茂っており、森のようになっている中を参道が続いている。 |
祓戸神社 二の鳥居をくぐり、奥に進むと参道の左側に「祓戸(はらへど)神社」が建っている。色々な罪を祓い除く神様で、先ずここにお詣りし、身も心も清浄となり、ご神体を拝むのが正統な参拝様式になっているらしい。 |
夫婦岩 |
祓戸神社の前を奥に進むと、参道左側に「夫婦岩」がある(左の写真)。これは、昔大和にそろって長命であった夫婦の古跡であるという。 この岩に祈れば夫婦円満、子宝に恵まれるといわれているようである。ただ、夫婦円満の神徳や古跡はここに限らず、多くの神社に見られるもので、特に珍しいものではないかもしれない。 |
拝殿 |
参道の最も奥の石段を上がった場所に「拝殿」が建っている(左及び直下の写真)。 「拝殿」は最古の神社の一つといわれている由緒ある大神神社にふさわしいような大きな建物で堂々とした造りである。 「拝殿」の奥に三本の鳥居を組み合わせ独特の形をした「三つ鳥居」と呼ばれている建造物があるようで、そこを通してご神体を遙拝するようになっている。 ただし、残念ながら「三つ鳥居」は拝殿の外からは見ることができない。 |
「拝殿」は4代将軍徳川家綱の寄進により寛文4年(1664年)に造営したものとされている。ただ、拝殿、三つ鳥居とも老朽化のため、最近保存修理が行われたようであり、見た目には新しい。 「拝殿」、「三つ鳥居」とも、重要文化財に指定されている。 |
ご神体、三輪山 |
由緒の項に記載したように、大神神社には「本殿」がなく、神社背後の「三輪山」(左の写真:山辺の道から遠望)がご神体となっている。 「三輪山」へは簡単には入山できないが、ただ一つ登山口があり、後述する「狭井神社」の傍からのみ許可を得て入山が可能とされている。 |
巳の神杉 拝殿前の広場の右寄りの場所に「巳の神杉」と名付けられた大きな杉の木がある(左の写真)。 この「巳の神杉」には神様の遣いの蛇が住んでいるといわれており、酒と卵が供えられている。 大神神社の境内には多数の大きな杉の木が生育している。また、拝殿までの参道途中の手水舎の傍にも大きな杉の木の切り株があり、これは「しるしの杉」と呼ばれているようで、三輪の七本杉の一つとの説明書きがある。 杉の木とこの神社との間には少なからぬ因縁があるのでなないかと思われる。 |
祈祷殿 |
拝殿の北西側に真新しい優雅な感じのする建物、「祈祷殿」が建っている(左の写真)。 祈祷殿はその左側と右側にそれぞれ隣接する「儀式殿」、「参集殿」と共に平成の大造営事業として平成9年に竣工したようである。 |
摂社、大直禰子神社(若宮社) |
大神神社の「二の鳥居」をくぐらず、その手前を北の方向に進むと大神神社の摂社「大直禰子(おおたたねこ)神社」(左の写真は社殿)に着く。 祭神は大直禰子命(おおたたねこのみこと)で大神神社の祭神大物主神の孫にあたり、崇神天皇の代にご託宣により今の堺より招かれ、大神神社の初代神主をつとめた人といわれている。 |
奈良時代の神仏習合により大神寺、後に大御輪寺となったが、明治の神仏分離後は大直禰子神社として祀られることになったという。このためと思われるが「社殿」の外観は神社というよりも寺という感じの方が強い。 「社殿」は重要文化財に指定されている。 |
末社、久延彦神社 |
大直禰子神社の前を東側に進み左手の石段を上がると、大神神社の末社「久延彦(くえひこ)神社」がある(左の写真)。 祭神は久延毘古命(くえびこのみこと)で、各種受験合格、進学、就職などに霊験があり、知恵の神様とされている。 |
久延毘古命はもとは「山田の案山子」であり、『歩くことはできないが天下のことをことごとく知っている神様』であるという。 |
摂社、狭井神社 祈祷殿前の広場の北側隅に「くすり道」と呼ばれている細い道がついている。製薬会社などが奉納した灯籠が立ち並んでいる「くすり道」を通り抜けると大神神社の摂社「狭井(さい)神社」(左の写真:狭井神社の鳥居前、直下の写真:神社本殿)に着く。 この神社は今から約二千年前、垂仁天皇の代に創祀されたといわれている古社で、昔から4月18日に鎮花祭が行われることで有名である。 |
鎮花祭は春に花の咲くころになると、種々な病気が流行するのでこれを鎮めるために祀ることから始まったといわれている。 祭神は大神荒魂大神(おおかみのあらたまのおおかみ)で、病気平癒の霊験があらたかであるという。 |
神社本殿の左手奥には「薬井戸」があり、ここから湧き出る水は神水と呼ばれ万病に効くという。ただし、当然のことではあるが効能効果は何処にも書かれていない。 左の写真は「薬井戸」であるが、写真中央部に注連縄をまいた球形の物体がおかれているのが見える。この中に水が溜められているのであるが、球体に付けられている金属製のボタンを押すといわゆる「神水」が出るようになっている。このような仕掛けは衛生上は優れているかもしれないが、霊験あらたかという神水の感覚と相容れないものがある。 上述したように神水は万病に効くというが、たとえ神水であっても生水である。見た目には透明できれいであるが、はたしてこのまま飲用に供してもいいものかどうか・・・。 |
摂社、桧原神社 |
大神神社から山辺の道を通り約1km北に進むと、大神神社の摂社「桧原(ひばら)神社」に着く。 第十代崇神天皇の代に、豊鍬入姫命(とよすきいりひめのみこと)が天照大御神を祀ったのが創祀で、大御神が伊勢に鎮座された後も祀り続けられてきたとされ、したがって「元伊勢」ともよばれているようである。 |
この神社には拝殿・本殿共になく、「三ッ鳥居」(直上の写真)を通して、ご神体である「三輪山」を拝する形をとっている。「大神神社」には拝殿があったが、遙拝形態としては「大神神社」と同じである。 |
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Yukiyoshi morimoto