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関西花の寺第二十四番
易産山 子安地蔵寺
(こやすじぞうじ)
所在地及びアクセス:

 和歌山県橋本市菖蒲谷94

 南海電鉄高野線の「御幸辻
(みゆきつじ)」駅下車。出口を東側に出て直ぐ南の方向に約100m進むと広い道に出る。この道を西の方向(右折)に進む。
 道なりに西の方向に約2.5km進むと目的の子安地蔵寺に着く。西の方向へはほぼ一本道であるので間違えることはない。御幸辻駅から寺まで徒歩25〜30分。
 駅からバスは運行していないし、タクシーを利用する場合でも、駅に常駐していないので電話で呼ばなければならない。

縁起:
地蔵寺朱印
 子安地蔵寺は天平9年(737年)に行基によって開かれたとされており、本尊の地蔵菩薩立像も行基の手彫りによると伝えられている。

 天正9年(1581年)に織田信長の高野攻めの際、兵火にあい焼失したが本尊は難を逃れ、山中に隠されたという。隠された地は『かくれがた』と呼ばれ現在も残っているらしい。

 正保5年(1647年)紀州藩の初代藩主徳川頼宣により再興され、それ以来、現在に至るまで紀州徳川家の安産祈願の寺として信仰されて来ている。ただ、徳川頼宣による再興は慶安3年(1650年)という説もあるようで正確なところわからない。

 もともと、行基が地蔵菩薩を安産守護のために安置したとされているところから、安産子授祈願の寺として現在も参拝者が絶えないようである。

当寺の花:

1.主たる花

  藤(4月下旬〜5月初旬)
    (右の写真)
藤の花(1)

2.その他四季の花

  春:ヒラドツツジ
  冬:サザンカ

見所など:
寺遠望
 左の写真は子安地蔵寺の全景遠望である。寺は道路に隣接しており周囲は田畑で民家の近くに建てられている。
寺域への入り口
 寺への入り口は普通それらしい山門のあるのが普通であるが、子安地蔵寺では左の写真に見られるように、一寸した武家屋敷風の入り口である。寺の山門としてはあまり他に類を見ない造りであるが、これが「山門」になるのであろう。
入り口背後の藤棚
 「山門」をくぐると右側に納経所があり、左側が参拝者の休憩所になっており、正面奥に向かって「本堂」に通じる通路がある。左の写真はその通路から「本堂」の方を見たもので、季節には通路の上に見事な藤の花を見ることができる。この藤の花は赤長藤と呼ばれている品種である。

 当寺は別名で『藤の寺』とも呼ばれているとおり、山門をくぐった時点で藤の花が境内一帯に咲いているのが見らる。
本堂を背景に藤の花
 左の写真の藤も赤長藤と呼ばれている品種で、本堂に向かう通路傍にある藤の花で、写真奥に見えるのは「本堂」である
本堂
 左の写真は「本堂」である。「本堂」はやや高い場所に建てられている。

 寺の本尊、地蔵菩薩立像は「本堂」に安置されているが、秘仏であり1年に1度、1月24日の初地蔵の日にご開帳される以外直接の拝観はできない。

 縁起の項にも述べたように、本尊は行基の手彫り伝えられているようであるが、真実とすれば約1270年前の作品となる。保存状態は分からないが、何故か文化財の指定がなされていない。
本堂前の藤
 左の写真は「本堂」の前、向かって右側に植えられている藤である。見応えのある立派な藤で九尺藤と呼ばれている品種である。

 境内には他にも九尺藤の木があるが、この九尺藤が最も印象的である。
九尺藤近写
 上述の九尺藤の一部分をアップにしたのが左の写真である。
白カピタン
 左の写真は「本堂」の左側面の近くに咲いている白い藤の花である。長い房状になっていないこの藤の花は白カピタンと呼ばれている品種である。
鐘楼
 「本堂」前の広場の南東側隅に「鐘楼」(左の写真)が建てられている。写真でもわかるように、「鐘楼」は極めて簡素である。

 鐘楼の説明によれば、この鐘は安永7年(1778年)に近隣の信者方が寄進したもので、第二次世界大戦時に金属回収のため撤去されたが、終戦に伴い昭和21年に返還されたという。
本堂前から見た山門前の藤
 左の写真は「本堂」前広場の東側の石段の場所から山門のある建物の内側(本堂側)に植えられているを見たものである。

 写真でわかるように、季節には藤が見事な花を咲かせる。藤の品種は赤長藤(写真中央付近から左側)、口紅藤(写真右端)である。
境内にある藤(1)
 上述したように、「本堂」はやや高い場所に建てられているが、その高い場所から南側に下りた場所は藤園になっており、何本かの藤が植えられている。左の写真はこの場所にあるである。
境内にある藤(2)
 左の写真の藤も直上で述べた藤園に咲いているもので、花の色が赤っぽい。これは口紅藤と呼ばれている品種である。
築庭の傍の藤
 「山門」のある建物の左側(南側)は参拝者の休憩所になっているが、休憩所の前には小さな池のある庭が築かれている。左の写真は庭の傍にある藤(品種は赤長藤)の花であるが、池の上に被さるようにして咲いている。
藤とツツジ
 当寺の花として藤が有名であり、一般には『藤の寺』という別名で呼ばれるくらいであるが、同時に当寺の四季の花として春はヒラドツツジがあげられている。左の写真は藤の花とその下に咲いているヒラドツツジである。

 ヒドラツツジは目立った存在ではなく、境内にひっそりと咲いているような様子であり、藤の花の存在感に圧倒されてつい見落としがちになるようである。
ボタン
 また、当寺の花として特に著名ではないが、境内の南東隅の場所には左の写真に見られるように、ボタンが植えられており藤の花の咲く季節に合わせて、ボタンも花を咲かせている。

2008年8月26日新規収載
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