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関西花の寺第二十三番
小松山 金剛寺
(こんごうじ)
所在地及びアクセス:

 奈良県五條市野原西
金剛寺所在地図
 JR和歌山線五条駅下車。駅前のバス停五條駅から奈良交通バス[31]「野原循環」に乗車し、金剛寺で下車する。バス停傍の交差点を東の方向に進む。約150m歩くと左手(北側)に金剛寺が見える。

 バスの運行回数は多くはない(下記の時刻表参照)のでJR五条駅から金剛寺までバスを利用せず歩いた方がいい。
 JR五条駅を出て南の方向へ進む。五條郵便局を左に見てしばらく歩くと五条3丁目の交差点に出るので、国道24号線を和歌山の方向に右折する。次いで、本陣交差点を南の方向に曲がり(左折)、吉野川に架かる大川橋を渡る。橋を渡ると直ぐに金剛寺への案内標識が見えるので、それに従い左折する。道なりに進むと、金剛寺への案内標識のある交差点に出るので、標識に従い東の方向に約150m歩くと道路左手(北側)に金剛寺が見える。JR五条駅から金剛寺まで徒歩25〜30分。

 奈良交通バス[31系統] 「野原循環」の五條駅発時刻(9時〜17時の間で)は次の通りである(2005年11月現在)。
  平   日    土曜日   日曜日・祝日
 9 15 55 15 55 15 55
10 32 32 32
11 27 27 27
12 27 27 27
13 27 27 27
14 27 27 27
15 -- -- --
16 16 31 31

縁起:
朱印
 金剛寺は承安3年(1173年)に小松内府、平重盛によって創建されたと伝えられている。

 江戸時代初期には野原城主畠山義春の菩提寺として栄えたといわれており、また、宇智の大野に流されてきた光仁天皇の皇后、井上内親王とその子の他戸(おさべ)親王の怨霊を祀る寺として、更に江戸時代末期から明治時代にかけては唐招提寺長老の隠居寺として歴史のある名刹とされている。

当寺の花:

1.主たる花:
  牡丹
    見頃は4月下旬〜5月上旬
  小菊(右の写真)
    見頃は10月下旬〜11月上旬


2.その他四季の花
  春:オオヤマレンゲ(5月)
     アヤメ(4月〜5月)
  夏:エビ草(7月〜8月)
  冬:サザンカ(11月〜12月)
小菊

見所など:

 直下の写真は金剛寺南側の道路から見た寺の全景である。道路と寺の間はかなり広い駐車場になっている。
道路から見た金剛寺全景
 写真向かって右から山門、次いで茅葺き屋根の建物は庫裡、その左側丈の高い木の後に見えるのが本堂、更にその左側に見えるのが観音堂である。この寺は牡丹で有名であるが、牡丹園はこれら伽藍の北側に広がっている。
山門
 駐車場の東側にある参道の北端に金剛寺の「山門」(左の写真)がある。「山門」は決して荘厳とはいえないが寺相応と見るべきであろう。
山門近影
 10月25日から11月10日にかけて当寺では『菊薬師と小菊まつり』が開催されるが、この季節には左の写真に見られるように「山門」に菊薬師の飾り付けがなされている。

 菊薬師とは境内に植えられた菊の花を本尊に献上し無病息災を祈願する法要である。
寺名石碑
 「山門」の手前(外側)に左の写真のような寺号が彫られた「石柱」が建てられている。この石柱に縁起の項で記載した『唐招提寺長老の隠居寺』が彫られている。
霊水から観音堂を望む
 「山門」をくぐって直ぐ左手に「薬師井戸」(左の写真、釣瓶が見える)がある。この井戸は江戸時代より薬師霊水として身体や心の病を治す有り難い健康と長寿への霊水とされている。ただ、見たところ、現状で水が汲み上げられているような様子は見られない。

 説明板に『有りがたや薬師の恵み大地
(つち)の幸(さち)湧き出す薬水(みず)にこの身癒さむ』の歌が記されている。
菊鉢の置かれている庭
 左の写真は入山料を支払う受付の前から見た小菊の花の鉢であり、「庭」の前と写真右側の庫裡の前に小菊の鉢が並べられているのが見える。

 庭の奥に見える堂は「観音堂」である。
庫裡から見た庭
 「庫裡」から「枯山水の庭」を見たのが、左の写真である。この「枯山水の庭」は元禄4年(1691年)に造られたといわれており、この庭の前に小菊の花の鉢が並べられている。
本堂前から見た庭
 「本堂」の前から庭に置かれた小菊の花の鉢を見たのが左の写真である。小砂利が敷き詰められた庭のまわりに菊の鉢が並べられているのがわかる。
庫裡
 左の写真は「本堂」の前から見た「庫裡」である。「庫裡」は最近では珍しい茅葺きの屋根で、唐招提寺長老の隠居寺といわれる風趣をそなえている。

 菊で作られる甘口の菊酒は冷え性や視力回復に効くといわれ、季節には庫裡でいただくことができる。
本堂
 「本堂」は南に面しているが、これを東南側から見たのが左の写真である。「本堂」は写真右側に一部写っている「庫裡」に密接しており、「庫裡」の廊下を通って「本堂」におまいりすることになる。
本堂正面近影
 「本堂」を正面から見たのが左の写真である。『菊薬師と小菊まつり』の時には「本堂」には「山門」と同様、菊薬師の飾り付けがなされている。

 「本堂」から白い綱のようなものが伸びてきているのが写真でわかるが、これは白い帯状の布である。この布の端は本堂に安置されている本尊に結ばれており、「本堂」の外からこの布の端を持ち拝むことで本尊に願が通じるとされているようである。

 「庫裡」を通って「本堂」に入った場所で本尊を拝むことが出来るが、ここで拝むのと、わざわざ本堂の外に出て白い布を持って拝むのとどのような違いがあるのだろうか。よくわからない。
本堂正面内部
 左の写真は「本堂」の内部であり、外から伸びている白い布の端が中央に安置されている本尊、薬師如来坐像の右手に結ばれている。

 菊薬師会式(11月3日)には本尊に菊花を献上し諸人救済の菊花浄土がつくられる。

 中国では菊は不老長寿の花とされており、不老長寿の薬効と信仰は薬師如来の誓願と一致し、薬師如来の御利益は諸人を救済し健康と長寿の願を叶えてくれると信じられているという。
観音堂
 左の写真中央に写っているのが「観音堂」であり、右側に一部写っているのが「本堂」である。

 「本堂」から上述した白い帯状の布が出ているのがこの写真でもわかる。

 金剛寺は規模こそ大きくはないが、古刹の雰囲気が充分漂っており、また、一年を通じて何かの花が咲いているということもあり参拝に訪れたい寺である。

2005年11月27日新規収載
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Yukiyoshi Morimoto