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トイレの変わった別称

 「トイレ」ほど多くの別称を持った言葉は他にないであろう。別称は方言まで含めると100以上にもなるようである。それらの呼び方の内、今では日本では「トイレ」や「便所」が最も多く使用されていると思われるが、古くは「かわや」、「お手洗い」などがよく用いられていたようである。

 また、別称として現在ではあまり一般的ではないが、
「かんじょ(閑所)」「よそものどころ(装物所)」など優雅な呼称もあり、英米でよく用いられている「Rest Room」などとは言葉の上では何となく似ているが、呼称内容としてははるかに日本の方が上等である。これは、日本語の持つニュアンスの幅広さに基づいているのであろう。
和式トイレ
 上述したように、一般に知られている呼び方の他に、古来の呼び方や方言も含め別称はいろいろあるが、これらについては成書もかなりあるようで、ここで羅列しても無駄と思われるので止める。

 以下、あまり知られていないと思われる別称や特別な職場でのみ使われている符丁について二、三考察してみたい。

 
駄洒落的な部類に属するもの

「カセットテープ」
 テープは録音するためのもの。「音入れ」、即ち「オトイレ」。

「横浜」
 横浜の市外局番045から、「オシッコ」。

など。考えた人には申し訳ないが、駄洒落としても上等とは言い難いであろう。

 
伝説的なもの

「わたなべ」
 かつて、トイレには鬼が住み着いていると言われていたが、この鬼を退治したのが渡辺綱
(わたなべのつな)であるとされていることに由来しているようで、この別称は案外知られているかもしれない。
女性
 符丁的なもの

「むらさき」

 あるデパートの従業員同士の符丁である。客商売ではお客にトイレに行くことを悟られないために「私、むらさき」と同僚に言って席を外す。因みに、このデパートでは何故か色で内容を表す符丁が用いられている(例えば、食事は「しろ」)。

「ピンク」
 ある大手スーパーの従業員同士の符丁であり、上記の「むらさき」と同様、色が用いられている。何故、「ピンク」という言葉が用いられているか、その由来は不明であるが、このスーパーでは休憩のことを「グリーン」という符丁が用いられているようで、やはり色で表現している。

「なかむら」
 名古屋のあるデパートの従業員同士の符丁といわれている。名古屋の中村といえば、かつて、遊郭のあったことで有名な場所である。この場所と「なかむら」という符丁の間に直接関係があるとは思えないが、何となく、下がかった話として捉えられないことはないように思える。

「さんさん」
 これも、客商売の従業員がお互いに使う符丁である。トイレの別称として「三分」というのもあるが、「さんぷん」ではトイレに要する時間との関連から、何となくお客さんに内容を悟られそうであるため「さんさん」としたものと思われる。

「なんばん」
 これの由来は不明であるが。やはり客商売の従業員がお互いに使う符丁である。

「つきあたり」
 客商売の従業員が使っている符丁であるが、これもその由来は不明である。

 他に、符丁として使われているものは数多くあると思われるが、由来がわからないものが多いのが現状であろう。

最終更新:2012年1月29日
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