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小便、立ってするか、座ってするか


 2002年4月中旬、TVのあるローカル番組で「男性が小便するときに、立ってするか、座ってするか」という問題が採り上げられていた。勿論、洋式のトイレを使用する場合である。
便器(1)
 そのTV番組での調査結果によれば、座って小便する人の割合は14.7%だったという。また、このTV番組と関係がないが、松下電工が独自に行った1999年の調査では、それが15%とされている。いずれにしても、2000年前後では座って小便する男性の割合は15%程度であったようである。後述するように、最近は座ってする人が増加しているというから、この割合は別に驚くことではない。

 立って小便するとどのような問題が生じるか、と言う点について調査した結果、主な意見は:
(1) 便座、便器が汚れる 41%
(2) 床が汚れる 27%
(3) トイレマットが汚れる 13%
という結果が得られたとのことである。要するに立って小便すると小便やその飛沫が飛び散り便器やその周辺を汚すというのであるが、これは、あえて調査をまつまでもなく常識的な話にすぎない。

 他に、主婦の声として:
(a) 便座の上げ下げをきちんとしてほしい。つまり、小便するときは必ず便座を上げ、終わったあとは必ず便座を下げておくことを心掛けてほしい。便座が上がったままの状態で座ると、お尻が便器の中にはまりこむ。
(b) 立って小便する音が不快である。立ってすると落差が大きくなり、どうしても便器内水面への小便の落下音が大きくなる。
(c) 立って小便すると汚れるので、汚れたら拭いてほしい。
など、があったという。

 要するに、
主婦(女性)は「男性も座って小便をしてほしい」と言いたいのである。

 「立って小便する」派の男性の言い分として:
(A) 立って小便すると開放感がある。
(B) 立って小便するのは男の尊厳である。尊厳を損ないたくない。
(C) 座って小便をするとズボンやパンツを下げなければならず、これは子供が小便するときの行為である。座って小便するのは大人になりきっていない感じがする。
などがあった。TV番組の内容は以上の通りである。
便器(2)
 この、立って小便するか座ってするか、という問題に関し女性の意見が強くなり、座ってするという男性の数が増加してきていると言われているが、2007年12月13日の毎日新聞にこれに関しての報道があった。

 新聞報道は松下電工の発表に基づいているが、それによれば、40%の男性が座って小便するという。因みにこのときの調査対象は30〜50代の夫婦518組とされている。2000年当時から見れば座って小便する男性が明らかに増加しているといえる。

 加えて年代別の調査結果が記載されており、30代では46%、50代では37%で若い年代ほど座って小便する割合が多いという。

 更に、2008年5月30日から31日にかけての深夜のTV番組中で、この問題について視聴者の意見の集約を行っていたが、1万以上のサンプル数で、座ってするが51%、立ってするが49%の結果になったことを放映していた。この集約方法は携帯電話を利用する投票によるものであり、サンプルの質として若干の問題があるかもしれない。

 また、TOTOのアンケート調査では座ってするのが2004年には23.7%であったのが、2009年の調査では33.4%になったと言われている。

 調査結果個々の数値にはかなりの差異が認められるが、数値自体に大きな意味はないと考える。要するに「座ってする」派が明らかに増加傾向を示していることに意味があるのである。

 しかしながら、少なくなってきているが、立って小便することに固執する人が居るのも事実である。今は故人となっている政治評論家の三宅久之氏は「男は立って小便しなければならない。男は外敵から家族を守る義務がある。小便しているときに、外敵が襲ってきた場合、立っていると直ぐに戦えるが座っていると直ぐに戦うわけにはいかない。座って小便する男は男の風上にも置けない」というようなことを発言しているのを、あるTV番組で見たことがあるが、これなどは三宅氏独特の説であるにしても、案外これに同意する人も多いのではないか。

 「立ってする」派の言い分は三宅氏のような議論は別にしても、上記(A)(B)及び(C)に記載したように、何となく
情緒的な考えであり、理屈もなにもないのであるが、妙に共感できるものがある。

 女性は概して現実的な考え方をするリアリストであるのに対し、男性はロマンチストであるといわれているが、まさに、ここにもその結果が出ているのである。ただ、「座る」派が増加しつつある現実から見て、ロマンチストが消滅するのは遠い将来ではないと思われる。

 2013年6月に、あるTV番組で「座ってする」派に若干ショッキングな情報が放送された。「座って小便するとガンになりやすい」というのである。座って小便すると男性器が不自然に折り曲げられることになるので、小便が尿道に残りやすい。これが原因で、排尿障害、前立腺肥大、ひいては睾丸ガンにななる可能性がある、というのがその骨子である。

 この説が科学的に正しいかどうかはよく分からないし、今後の検討課題ではあろう。それにしてもこの説は何となく納得できそうな感じがするのである。これが医学的、統計学的に正しいことが立証されれば、座って小便することなどとんでもないことになるので、出来るだけ早急に結論がほしいところであろう。

 いずれにしても、私個人としては、「座って小便する」派の増加を憂いている者の一人である。
 

最終更新:2014年7月12日


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