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「おなら」に税金?

 国、地方共に税収不足に悩んでいる昨今であるが、普通考えつかないものに税金をかけることを考えた人がいる。

 「おなら」に税金をかけようというのである。おならをする度に税金を払わなければならないというのか? こんなバカなことがあるのか。「おなら税」という名称はあまりにも直接的であるので、「廃気税」という名称まで考えられたという。

 但し、これは日本ではなくニュージランドでの話である。しかも、当然のことながら「おなら」の対象は人間でなく羊である。
羊
 羊は盛んにおならをする動物であり、このおならにより空気が汚染されるのでその代償として税金を取ろうという発想である。ただ、ニュージランドは人口よりも羊の頭数の方が多く、羊がおならを発する回数を数えることは事実上不可能であることから、具体的には一頭当たりいくらという計算で課税する方式が考えられたという。

 この課税の理由は上述の通り、羊のおならが空気を汚染するからというのであるが、計算上、羊のおならによる汚染は人間の生活による空気汚染、例えば自動車の排気ガスに比べ無視できるほど小さいということや、羊を大事にする一般国民感情による反対などからこの「廃気税」は現実のものとはならなかった。

 「税金は取りやすいところからとる」というのが徴税の鉄則らしいが、「廃気税」を考えた役人はこの鉄則を知った上で提案したのであろうか。
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Yukiyoshi Morimoto