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左に置くか、右に置くか

 「左に置くか、右に置くか」。難しい議論をしているのではない。男のシンボル、わかりやすく言えば「睾丸を左側に置くのがいいか、右側に置くのがいいか」ということである。こんなことは問題になるようなことではなく、個人の癖であってどちらでもいい、ということかもしれない。

 置く位置については、実は私も全く考えたことはなかったのであるが、次のような記述があるのを知ったのである。

 旧軍隊で使用されていた規程「被服手入保存法」の中に「軍服の着方」に関する記述があり、その中の「袴下」の項に『
(二)睾丸ハ左方ニ容ルルヲ可トス』の条項がある。ここで言う「袴下」とは旧軍隊用語でズボン下のことであり、現在に置き換えれば、年配者や高齢者が着用するステテコやバッチがこれに該当する。

 睾丸の置く位置について上官も新兵には上記条項に基づき「左方に置く」ことを半ば強制、教育していたようである。

 それならば何故、「左方二容ルルヲ可」と規定しているのであろうか。

 軍隊の規程は些細なことでもそれなりの理由があって事細かく記述しているものである。上記の「袴下」の項に『(一)袴下ハ充分二引上ゲ片手ニテ襦袢ノ裾廻リヲ引下ゲ臀部ヲ覆ヒ次二右ノ腰紐ヲ左ノ紐孔二通シ一回後二廻シ右前二結ブ』と袴下の着用方法が詳細に規定されている。現在で云えば「袴下」は旧軍隊と違って腰に固定するのに紐に代わって一般にゴムが用いられている。

 着用方法から見て「袴下」は着用した際、前で重ね合わせる状態になり、重ね合わせの部分はその左側が前にくるようになる。これは現在の前開きのステテコやパンツの状態と同じであり、ステテコやパンツでも前開きの重ね合わせ部分は左前になっている。

 小便する際、右利きの人ならば右手で男性の一物をつまみ出すのが普通であるが、袴下(ステテコでも同様)の重ね合わせ部分が左前の状態で重ね合わせられているから、一物が左側にある方がつまみ出しやすい。これは実際に試みてみるとよく分かる。右側に置いた一物は右手では取り出しにくいのである。

 迅速な動作が美徳であった旧軍隊でなくても、つまみやすさを考えれば右利きの人が圧倒的に多いから、左側に置くのが小便するときはつまみ出しやすいという意味で「左方二容ルルヲ可」とする規程は合理的である。また、下着などの前開きの部分の重ね合わせが左前になっているのも同様な意味で合理的であろう。

新規収載:2014年8月8日

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