ホーム > 排泄にまつわるお話 > 「むかつく」話 サイトマップ

「むかつく」話

 単に「むかつく」という理由だけで人を殺すような時代になっているが、ここでの話は、その「むかつく」ではなく、古典的な意味での「むかつく」である。

 これは排泄ではないかもしれないが、排出の範疇に入ると考え、とりあげた。

 飛行機に乗り座席に座ると、備え付けのパンフレット類に混じって「袋」があるのに気がつく。袋にはその使用目的が書かれているが、これには色々な表現があり面白い。

 左は中国南方航空の機内備え付けの「袋」に印刷されている部分をコピーしたものである。

 「清潔袋」という表現は我々から見れば何となく古めかしいような感じがするが、中国語ではこのように言うのであろう。

 袋に書かれている使用目的に注目してみる。

 中国語では
「嘔吐」と極めて直接的な表現になっており分かり易く、英語では「AIRSICKNESS(飛行酔い)」とやや婉曲な表現になっている。日本の場合は「気分が悪くなったとき」というような漠然とした表現を採用しているのが普通である。

 こういった物にでも
国民性が出ているのがよくわかる。

 「気分が悪い」ということは、嘔吐と直接関係しない「腹が立つ」というような怒りを表すときにも用いられる表現でもある。つまり、明確な一義的な意味を持つ言葉ではない。


 日本人には、あうんの呼吸、腹芸など達者な人を大物と見なしたり、一を聞いて十を知る人は頭の良い人である、と決めつける癖がある。物事をハッキリと分かり易く表現するのはよいことではない、頭の弱い奴だ、といった考え方が未だに残っているのである。
 中国人と日本人はその身体的特徴が類似していること、文化的基盤の由来が同じとみなされていることなどから、欧米人は両者の発想の原点が同じであると見る傾向がある(私の経験から)が、これは大きな誤りである。
排泄にまつわるお話のページへ戻る このページの先頭へ戻る

Yukiyoshi Morimoto