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極寒冷地でのウンコとオシッコ

 昭和18〜20年(1943〜45年)の約3年間にわたって、満州(現在の中国東北部)で小学生時代を過ごした。当該地の冬の寒さは非常に厳しく氷点下30〜40℃になることも珍しくはなかった。この寒さになると、うっかり鉄棒のようなものに素手で触れると鉄棒から手が離れなくなってしまう。無理に剥がすと手の皮がめくれる。
冬の風景(1)
 そのような極寒の地、屋外で小便をすると直ぐに凍ってしまい、チンチンの先に氷柱(つらら)ができる・・・、というようなお話があたかも真実のように語られることがある。これはハッキリ言ってデタラメであり、そのようなことはない。地面に落ちた小便は暫くすると凍るが、地面に落ちて直ぐに凍るということもない。水の比熱は大きいのである。この程度でチンチンも凍傷になることはない。これは私の実証である。

 ウンコは屋外ですることはないが、トイレの中で体外に排出されたウンコはどのような状況になるのか。極寒の地では屋内は当然暖房されているが、普通、トイレの中にはペチカなど直接暖房設備が設置されていない。従って、居間など通常の部屋に比べてトイレは寒い。

 当時のトイレは当然水洗便所などというものではなく、汲み取り式のものであった。体外に出たウンコは排出者が誰であるかにかかわらず、その落ちる場所は決してランダムではなく、ほぼ一定になるのが普通である。
冬の風景(2)
 排出されたウンコは寒さのために次第に凍ることになるが、その状態の上に次のウンコが落ちてくることになり、これが凍り・・・、という状況を繰り返す。結果として、凍ったウンコの柱が出来上がる。こうなると、ウンコ独特の臭いは全くなくなる。この柱をそのままにしておくと便器の中までつき上がってくるので、適時に柱を砕かなければならない。その目的のため、かなり太い鉄棒が用意されていた。この鉄棒でウンコの柱をガンガンとたたいて砕くのである。私は小学生だったので砕く作業に参加したことはなかったが、目の当たりに見たのを覚えている。

 このような立派なウンコ柱が出来るトイレであっても、メチャクチャ寒かったという記憶はなく、比較的ゆっくりとウンコができる状況であった。

 このように見ると、人体は短時間ならば体の一部が露出状態になってもかなりの寒さに耐えられるのが分かる。

2003年6月12日新収載
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Yukiyoshi Morimoto